2023年11月10日(金)、NTTデータユニバーシティは、例年に続き人財育成フォーラムを開催いたしました。
今年度はコーポレート分野のコンサルティング経験が豊富な日置圭介氏を迎え、現在注目を集めている「CHRO(Chief Human Resource Officer)」という職位概念や人財戦略への向き合い方について講演を行っていただきました。
当日は駒場研修センターでの集合形式およびオンライン配信との二元開催で実施。100名近くの人材育成担当者の方々にご参加いただき、大変盛況に終えることができました。
今回はフォーラムの様子をご報告します。
※本講演は、NTTデータ・グループの各社様向けに「HRに求められる本質思考とは ~「CHROの時代」 流行のキーワードよりも本質思考を~」のタイトルで開催されたものと同一のものです
【基調講演】
「人事こそ、キーワードに流されずに本質思考を」
登壇者:re-Designare LLC代表 日置 圭介氏
基調講演では、近年注目が集まっている人事部門の最高責任者を意味する「CHRO(Chief Human Resource Officer)」という職位の役割や本質に迫りながら、人事部門として今何を考え実行すべきかについてお話ししていただきました。
<講演内容>
- 日本の大企業が陥りがちなこととして「中計病:日頃やっていないことも中計に盛り込んでしまう」「ハコ病:組織をいじると何かが起こると期待してしまう」「キーワード病:流行りを追いかけることで、先進的なことを行っている気になる」といった大企業病と言われる事象が見受けられる。
- 人事部門では様々なキーワードが毎年飛び交っているが、人事部門として本当に大事なことは何かを考えるという本質的な役割を忘れてはならない。NTTデータグループでも「パーパス経営」「タレントマネジメント」「オンボーディング」「1on1の推進」といったキーワードがよく出てくるが、これらひとつひとつに対して真摯に向き合って取り組んでいくことは大事なことである一方、全体感をイメージして取り組めている組織は少ない。上位層を巻き込みながら、出来上がりのイメージをすり合わせて、全体の絵を組織で共有することが大事。
- コーポレートとはCxO(Chief x Officer)が集まったチーム。彼らの仕事は、人や金をどこに振り分けるのか、人をどのように育てるのか、どの技術に金をかけるのかなどの「リソースアロケーション(経営資源配分)」に尽きる。コーポレートの全体最適と事業の個別最適のコンフリクトをどう解消して会社を強くしていくのかを考えるのがCHROを含むコーポレートの人たちになる。
- CHROは戦略と連動した組織・人財作りだけでなく、外に目を向けて、戦略を生み出す人財・環境づくりにも意識を向けていく必要がある。
- 人事部門は「制度」ではなく「生身の人間を見る」ことに着目してもらいたい。ただし、その人のスキル・動機だけを見るのではなく、以下の公式(AMO=P)のように、その人が成長できる環境(機会)を作れるかどうかがパフォーマンス発揮につながる。成長を実感する機会を提供し続けられるかが本質的な課題となる。
能力(Ability)×動機(Motivation)×機会(Opportunity)=結果(Performance)
- 今欲しい人財は今いないというタイムラグも本質的な課題の1つである。欲しい人財は他の会社でも欲しいと思われている人財のため、外部から獲得するのかが難しい。ダイバーシティを意識した人財育成に焦点を当てることで、画一的に社員を育成するのではなく、ポテンシャルの高い社員を見つけ出し活かしていくことが重要。
第二部
NTTデータグループの方々に向け当社が次年度注力していくサービスをご紹介し、本会は幕を閉じました。
多くの皆さまにご参加いただき、Zoom上で多数の拍手ボタンをいただきました。
<ご参加者様の声>
- 様々な外資系企業やクライアントとのバックグラウンドに基づいたご経験を伺うことができ、グローバル市場でのHRの戦い方や自分の専門性の持ち方を考え直す機会になり、刺激があった。
- 最大の経営資源である人財をどう活かすかが企業の成長に不可欠であり、多くの示唆を得られました。
- 全編を通して多くのことを学ばせていただきましたが、特にAMO=Pのパートの話が刺さりました。社員がパフォーマンスを発揮するために機会を用意する必要があるというのは、まさに弊社の課題の一つであると感じます。
本セミナーの講演資料はこちらからダウンロードいただけます。
2023年度人財育成フォーラム講演資料
2024年度新規・注力サービス紹介資料